2010年7月20日火曜日

2000円札、どこへやら。。。

突然ではあるが、10年前の昨日からスタートしたモノがある。

それは何かご存じだろうか。

2000円紙幣である。

西暦2000年の7月19日から発行されたのだった。
表面には、沖縄の首里城の大手門にあたる「守礼門」、裏側には源氏物語の絵図や紫式部の肖像画などが描かれている。

九州・沖縄サミットを記念して発行されて、早10年。
現在の流通枚数は、今春の時点で約1億1000万枚なのだとか。
流通量では、全券種の比率では0.9%とはるかに少ない。


私自身も数枚持っている。
普通に生活していて、直近で手にした記憶があるのが昨年秋に1度あったことを思い出す。

流通量が少ないために、日銀は04年度からは印刷をしていないらしい。
印刷したものも、その多くが日銀の中にあるのだとか。


なぜ、流通が広まらなかかったのだろうか。

日銀曰く、「日本人は2の付くお札に馴染みが無かった。使い勝手が悪いイメージが、先行して付いてしまった。」のだと分析。

確かに。
自動販売機や券売機等でそもそも使用できなかったり、タクシーなどでは2000円札を嫌がられることもしばしば。

更に、ATMでの現金引出しで目にすることが多かったが、最近では、多くの銀行で出金用にも使用しなくなったのだそうだ。


そもそも、2000円札の発行の目的はなんだったのだろうか。
まさか単なる記念紙幣ではないだろう。
日銀が、日本銀行券を記念に使用することを嫌って恒久的な紙幣としたという報道もあるようだ。
2000年、ミレニアム、何か節目にインパクトのあることを行いたいという「ノリ」で、起案されたという話もある。
また、当時の経済振興の起爆剤としても期待されていたという論調もあるのも確かだ。


そして、多くの普及しない理由の論調が、「使いづらい」というものだ。

外に目を向けると、「2の付く紙幣」は多くの国々で流通していることから、本来は、使いづらいものではないだろう。

新しいものが普及するためには、その受け皿の土壌もきっちりと対応していなければ普及しない。

ポイントカードにしろ、電子マネーにしろ同じ。


使う側の立場になって、使うシーンを良く考えることが大切。

これは、あらゆるモノ作りでも同じことが言えるだろう。