2010年7月19日月曜日

サービスオペレーションとナレッジマネジメント

さて、昨日に引き続き、今日も「星のや軽井沢」のネタで。

昨日は、主に施設をテーマに書いてみたが今日は、サービスを提供するスタッフについて書いてみる。


「星のや軽井沢」のスタッフは、全員、ユニフォームとして作務衣を着用している。
宿泊客も同じような作務衣を着るので、中には宿泊客とスタッフと間違えてしまう人もいるらしい。

その作務衣も、昨日のテーマではないが、空間演出の一つの要素にもなっているだろう。

さて、スタッフのサービス提供について注目したいキーワードが「情報」だ。

個々のスタッフが持っている情報量に注目したい。



例えば夕食での出来事。
和食のレシピに関する質問も、食材に関する細かいことまで受け答えが出来る。
しかもフレンドリーに。

そして、食事以外の地域のこと、系列の全国の施設のこと、様々な質問をしてもきちんと返答がくるのだ。

高級ホテルでも、食材などの質問に関しては、きちんと受け答えは行えるだろう。
しかし、食事以外の質問となると、きちんと受け答え出来ないことがある。

「星のや軽井沢」は、宿泊担当、宴会・レストラン担当、ベル担当などの個別の担当がないようだ。

あるときには、チェックインの手続きを行い、あるときにはレストランの担当を行うという感じだ。

それだけ、仕事の幅も広く、学ばなければならないことも増える。逆にそれだけ、学ぶ知識も増えるのだろう。

また、聞くところによると、スタッフの間での情報共有も非常に頻繁に行われているようだ。確かに、別のスタッフが接客する際にも、お願いしていること等をきちんと理解しているというシーンが何度かあった。


更に、お客様に「聞く」という姿勢は、最初のチェックインの時にも見受けられる。
ホテルや旅館に宿泊する際、「宿泊台帳」というものを、施設側は作成しなければならない。多くのホテルや旅館では、チェックインの際に、住所と氏名を指定のシートに記入するものだ。
しかし、「星のや軽井沢」では、そのシートには事前に氏名と住所は記入されており、サインをするだけだ。更に、その代わりに簡単なアンケートが設けられている。住所と氏名を書かなくてよい分、気分的にもアンケートに答えやすくなる。ちょっとした気配りだ。

さて、このように、サービスを単に遂行するということではなく、サービスの至る所で「コミュニケーションを通しながら情報を収集し、活用する」というシーンが非常に印象に残った。


サービスオペレーションは、お客様と接する第一線で実行される。
そこでは、多くの情報を収集することもでき、活用することもできるのである。

情報共有と情報の活用。

これを上手く取り入れてこそ、サービスオペレーションは継続的に成長させることが出来るのだと私は思う。