2010年7月5日月曜日

異文化の一体化が、現場の混乱をもたらす

ここ数日、日本郵便の集配に遅延が生じているらしい。
昨日の発表で、約26万個の荷物に影響が出ているのだとか。

先日1日より、ゆうパックは日本通運の「ペリカン便」を吸収し、事業再編が行われたばかり。

その初日から、1日平均約6万6000個が、半日から2日程度の配達の遅れが出ているそうだ。
原因は、事業再編後、取扱量や取り扱い窓口が増えた一方で、1か所あたりの取扱個数が急増、更に不慣れな機械操作が原因とみられている。


事業統合等が行われると、往々にして発生するのがオペレーション上のトラブル。

過去にも、大手都銀、航空会社の合併等の際にも、オペレーション上のトラブルが発生し、大きな影響を及ぼしたことがあった。

その多くが、事前のオペレーション上の想定の甘さ、使用するシステムなどの仕様におけるブラックボックス部分の顕在化、そして、そもそもの組織文化の違い等に影響することが多い。


私自身も企業合併は2度経験したことがあるが、やはり、組織文化の違いによる現場への影響が大きいことを、肌を持って実感したほどだ。


さて、こうしたオペレーションは、「可視化」されていないことが多い。

「口頭でのOJT」、「口承での技術伝授」、「現場任せ」ということで、明文化されていないことが多々ある。

ひとたび、経営のかじ取りで、こうした異文化の組織が一緒になった際、こうした可視化されていないことが、現場に混乱をきたしやすい状況を生んでしまうのだ。


今回の、トラブルの原因は、詳細には発表されていないが、恐らく、こうしたことの積み重ねによることと、事前の現場シミュレーションの不足により、発生したのではと思われる。

そうした意味でも、オペレーションマニュアルによる、日頃からの業務の可視化は非常に重要なことなのである。