2010年7月6日火曜日

意図しないものが伝わるということ。。

今日、かねてより注目を集めていた、NHKによる大相撲名古屋場所の中継について、その方向性が出た。結論としては、中継は取りやめ。

放送を開始して初めてのこと。ラジオを含めると80年以上相撲中継を継続してきて以来のことだ。

今回の取りやめは、反社会勢力との関わりがあるとされる野球賭博問題に端を発しているものだが、相撲中継の映像そのものに、暴力団組員が映っていたことも、以前話題になっていた。

相撲中継そのものが、相撲の取り組みを伝えるという目的以外に利用されてしまったということだ。

ところで、今日は、まったく違う話題も、もうひとつ紹介。

アンナ・チャップマンというロシア人女性。この女性が、先日アメリカ国内で逮捕された。その逮捕容疑は、アメリカの核開発計画やアフガニスタン政策に関する情報を収集してロシアに情報を流していたということらしい。

アンナ・チャップマン容疑者の画像、写真(by NAVER)


この女性は、会員制交流サイト「Facebook」に、自身の写真や映像を公開。
ニューヨークのマンハッタンのコーヒーショップや書店でロシア当局とデータ通信を行うなどのやり取りをしていたのだとか。

さらに、この写真画像。
一見、なんの変哲もない画像に見えるが、この画像ファイルそのものに、様々な情報を密かに埋め込みやり取りをしていたのだとか。真偽のほどは、定かではないが、技術的には可能な話だ。


さて、この2つの話題。

どちらも、本来の目的ではない目的のために、情報ツールやメディアを利用しているところに共通するところがある。

大相撲は、暴力団の若い衆が獄中の幹部に元気な姿を伝えたいということで映像に映っていたとされているという点。
また、アメリカのスパイの話題は、本来のコミュニケーションの目的以外のものに、情報を隠して伝達しているという点。


情報伝達ツールが、普及するにつれて、それを本来想定していなかった方法で利用するユーザーは、必ず出現するものだ。その利用方法は、プラスの影響を及ぼすものもあれば、マイナスの影響を及ぼすものもあるだろう。


少なくとも、我々は、そうした情報伝達ツールの開発や企画に携わる人間として、想定外に使われるリスクを常に抱えているということを、肝に銘じなければならないのだろう。