2010年7月15日木曜日

真のグローバル化って?

ここ数年の私の仕事で、徐々に変化していること。
そのキーワードは、「国外」。


システムの構築だけでなく、お客様の中にも、海外でビジネスを展開するお客様、海外からきたお客様というビジネスのチャネルという側面や、担当者自身が外国の方ということも、10年前に比べて増えてきている。


そんな中で、今日、こんな記事を目にした。

[IT Japan 2010]「グローバル化に成功したサムスンと国際化にとどまる日本企業」---東京大学大学院経済学研究科の吉川特任研究員 (日経BP IT Pro)


「IT Japan 2010」というイベントで、元韓国のサムスン電子の常務を務めた吉川氏による講演の内容。


日本企業が考える「国際化」と、サムスングループの「グローバル化」対応の違いを指摘。

日本企業は、開発コストを削減するために、人件費の安い海外での拠点を開拓するなどして、競争力を高めてきた。一方で、サムスングループは、世界各国のニーズを探るための「地域専門家」を大量に育成し、現地のニーズを十分に把握することでの競争力を高めてきたとのことだ。


吉川氏は、
『日本の現状を市場の環境変化に気付かない「ゆでガエル」に例え、「技術者を使い捨てにする経営者」「自己の技術を過信する技術者」「新商品好きで、実際に使わない高機能を求める消費者」という「3つの傲慢」が助長した』
と指摘している。

私は、この3つ目の「実際に高機能を求める消費者」は、「虚像を作り上げてしまった」結果ではないかと考える。消費者自身、正直なところ、そんなに高機能を求めているとは到底思えないからだ。

コミュニケーションの取り方によっては、顧客の声を集める際に、「無い物ねだりの声」を集めてしまうことがある。これは、マーケティング活動としては、「真の顧客ニーズ」をくみ取っていることにはならない。

「真の顧客ニーズ」を考えるのならば、徹底的に顧客自身に「成りきって」、顧客の視点で徹底的に考えて見ることである。

安易にアンケートを取ってしまうと、その回答内容に不用意に振り回されてしまわれる。特に、設問によって「無い物ねだりの声」を単に集めてしまう結果にもなりかねない。


さて、この記事の吉川氏がいう「グローバル化」は、私の言葉に変えて見ると、恐らく「国際顧客視点」ということではないだろうか。


顧客の視点で考えることは、どこの市場においても同じこと。
商いの原点で、買う側がその対価に対して満足しなければ、売買は成立しない。
売り手側だけの視点では成立しないのだ。


「顧客視点」という言葉は、サービス業や流通業において、よく耳にするが、少なくともこうした業種に限らず、どの業種であっても同じく必要だと、この記事を目にしながら強く感じたのだった。