2010年9月6日月曜日

ヒューマンエラーをどう減らす。。。

人というものは、ミスをするものだ。
しかし、度を超えると、それは許されるものではなく、異常事態として捉えなければならないこともある。

その異常事態が、神奈川県川崎市で発生しているようだ。

それは、川崎市バスの経路ミスの問題。

市バスでまた経路ミス、右折地点で左折/川崎(カナロコ)

相次ぐ市バス経路ミス、市長が議会で陳謝/川崎(カナロコ)


路線バスが、決められた経路を通らず別のルートを運行してしまうというミスが、今年になって多発しているらしい。

通常でも年に数件は発生しているらしいが、川崎市バスは6月以降だけで23件。異常な数値である。私自身、小学生の時に一度だけ、自身が乗るバスが路線を間違えて、バックしたことを今でも覚えている。経験したのは、その時、一度だけだ。


原因は究明されていないようだが、既にいくつかの対策は講じ始めているらしい。

その一つは、車内アナウンスの変更。

停留所の案内アナウンスの中に、次に左折するのか、右折するのかというアナウンスを盛り込み、ドライバーへの注意喚起に繋げている。ドライバー自身もマイクで右折、左折の車内アナウンスを行い、再確認させる工夫を取り入れている。

そして二つ目は、停留所での注意標識。

これは、鉄道でも採用されている方式だが、停留所の標識に、行き先確認、方向確認を促す表示ステッカーを添付。鉄道の駅でも通過駅なのか確認させているのと同じだ。

そして三つ目は、営業所内での注意喚起を促す地図の張り出し。

間違えやすい交差点での注意喚起を常に意識させるために、地図を張り出し、注意すべきポイントを可視化させたもの。

そして四つ目は、究極の「人力による注意喚起」。

つまり、交通局職員が間違えやすい交差点付近に立ち、ドライバーに注意を促すという方法。

四つ目は、人件費もかかり非常に負荷のかかる対策だが、ミスが経るまで続けるのだそうだ。


さて、こうしたヒューマンエラーを防止する取り組みは、ビジネスにおいても参考にしたいものだ。

しかし、気になるのが、「どうしてこういう事態が起きたのか」という原因究明。

本日も1件、発生してしまっているらしい。
報道を聞いていても、その原因となる部分が見えてこない。

実は、まだ解決していない根本的な原因というものがあるのかもしれない。

それを見つけ出すまでは、ヒューマンエラーの対策も、対処的な策としてでしか機能せず、抜本的な解決には導かれない。


原因の究明こそが、まず、エラーを減らす第一歩になるのだ。