2010年9月5日日曜日

スマートフォンの使い方も、今年に入って様々な事例が増えてきた。

今日また、こんな事例を見つけた。


スマートフォンで素早い救急搬送 仙台市が独自システム (asahi.com)


救急搬送の際に、スマートフォンを使用して適切に素早く救急患者を病院に運ばせようとするものだ。
また、同様の症状の患者の対応ためにも、その時に対応した詳細な情報を、他の救急車にも情報共有出来るのだという。

今回のシステムの中心は、緊急搬送先の利用期間の情報をリアルタイムで現場で収集し活用出来るというものだ。


今まで、出動直前に紙面で搬送先医療情報を保持しておき、そこから搬送先を決めていたのだという。

恐らく、今までの手法と比べると、格段に搬送までの時間短縮には繋がっているだろう。

一方、こうした機器を使うことで事前に注意しておかなければならないこともいくつかある。

ます、スマートフォンであるが故、電波の状況。情報を授受する為には、携帯電話の電波の届く所でなければならない。常に、どこでも情報を授受出来ると過信してしまうのも禁物だ。

そして、緊急性を伴う場合のソフトウェアのインターフェース。
如何に、誤操作を防ぎ、ヒューマンエラーを発生させない設計になっているか。
一分一秒を争う場合、利用する人自身に負担のならないものが必要である。

そして、最後に気を付けたいのが、全てをこのシステムに頼りきらないこと。
つまり、万が一のための他の方法も確立させておく必要がある。

上記のような電波の通じない場所や、バッテリー切れ、本体自身の故障等により、そもそも端末が利用出来なくなってしまうことも、考えられなくはない。人の命に関わるための情報の授受においては、それらの想定外のシチュエーションを考慮したうえで、リスク回避策を予め取っておく必要があるだろう。


今回の場合は、現場の救急車車内でこうしたツールが使えない場合は、無線等により指令センター等で代替の対応が出来る仕組みなども、その対策の一つだろう。


恐らく、今回の仙台市消防局はこうしたことを考えてはいるだろう。

我々が、システムをビジネスで利用する際には、こうしたリスク管理も、オペレーション設計時からどこかで考えておく必要があるのだ。