不景気の影響か、テレビの番組作りにおいてもその影響が出ているニュースに注目したい。
■制作経費も時間も減って、NHKの字幕放送減る (YOMIURI ONLINE)
総務省が発表したテレビの字幕放送の総放送時間に占める割合の結果。
NHK、民放含めて初めて前年度実績を下回ったとのことだ。
字幕放送は、そもそも聴覚障害者などに配慮して実施されているもの。
最近では、ニュース等では音声認識の技術を取り入れて文字放送として放送していると耳にする。
しかし、こうした作業が番組制作においての追加費用として、そこに予算を割けられない状況になっているようだ。
字幕放送は、アメリカでは「クローズドキャプション」システムとして、ニュースから映画など様々な番組でも提供されている。
アメリカは、日本よりも先行して運用されており、聴覚障害者だけでなく、高齢者の視聴補助、読み書きが出来ない大人から子供までの文字学習、移民のための英語学習などに利用されている。
最近では、スポーツバーなど賑やかな場所での表示等にも使われているのだとか。
さて、日本の番組はどうか。
ざっとみて、こうした目的以外の「テロップ」表示が非常に気になる。
かつては、こうした「テロップ」表示は少なかった。
番組上の演出なのだろうが、個人的に非常に「ムダ」に感じることも多い。
あまりにも「テロップ」を安易に用いていないだろうか。
特に報道番組等での「テロップ」の挿入は、ある特定の情報を強調したりすることにもつながり、偏向報道にも繋がりかねない。
実際に、そうした問題にまで発展したこともあるようだ。
また、制作作業が増え、限られた時間で作業を行うため、タイプミスや確認が漏れたまま本番で表示してしまうということも多々ある。最近の生放送の番組内での訂正案内が多いのも、こうしたことが背景にあるからだろう。
訂正案内を聞かない日が無いくらいだといっても、過言ではないだろう。
不景気になり、制作費用が圧迫されるのは、当然、我々でも想像出来る。
しかし、どこの費用を削り、残すべき予算は何なのか、もう少し検討する必要があるのではないだろうか。
不必要に多く登場するゲスト、大人数のレギュラー陣。番組にそれほどのレギュラーやゲストが必要なのかという時さえある。
本来の番組の「質」を考えれば、もう少し賢い費用の使い方が出来るのではなかろうか。
番組の質が低下すれば、視聴者も減る。
視聴者が減れば、民放であればスポンサーも減る。
そろそろ、本腰入れて考えてほしいと思う今日この頃だ。