2010年1月24日日曜日

現場オペレーションが持つ、「潜在力」

「信頼の鶴のマーク」と言えば、そう、今毎日連日のようにニュースで流されているJAL。

昔、海外旅行に行った際に、あの赤い「鶴丸」を見ると、いつも何故かホッとしていた記憶がある。今でこそ、赤○に変わり、さらにトリトンブルーのANAの垂直尾翼を見ることも増えてきたが、日の丸とイメージが重なるせいか、なんとなく落ち着いたものだった。

そんなJALが、今は大変な状況になっている。

さて、そんな大変なJALではあるが、今朝のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」で、なかなかテレビ等で報じられることのない、裏側での社内改革を紹介していた。

その紹介の一つに、「CLM」プロジェクトというものを紹介していた。

「CLM」とは、「Communication Leader Meeting」の略で、飛行機の運航、機体整備、客室乗務員、空港、貨物、販売(予約・発券・セールス)に至る、あらゆる職場の社員が、部門を超えてコミュニケーションを図ることを目的として、社員自ら起案され、西松社長に上申され発足されたものだ。

トップダウンでの経営改革が進められる中、現場でも、なんとか企業風土を変えなくてはということで生まれたものだ。2006年2月に発足している。

部門を超えて、情報交換を行い、様々なことに取り組まれたそうだ。

直近のニュースで、よく見かける社員の手書きメッセージカードも、このプロジェクトから生まれたとのこと。

お客様の声の部門を超えた形での共有も積極的に行われ、正式に会社側にも改善依頼などが出されたりされているらしい。

ある支店では、遅延到着した機材の清掃を、本来は客室乗務員と清掃担当が行うところ、部門を超えて皆で協力することにより、その遅延を取り戻すことにも効果をあげているらしい。事実、ANAより定時運行においては、非常に高いレベルで実践されている。

また、以前、JALでは、部品の落下事故など多数発生していたが、風土改革を行い、失敗・トラブルの積極的な報告も行われることにより、整備不良による事故減少にも効果をあげているのだそうだ。所謂、失敗等の情報の共有だ。


JALだけでなく、このような縦割りの企業風土による、コミュニケーション不全に陥って、経営不振になってしまている企業も少なくないはず。特に、IT系企業で多く発生しているのではと思われる。

経営側の単なる財務の視点でなく、現場視点での業務改善をすることで、不振脱却の施策として出来ることは、まだまだあるはずだ。

現場の意識変化、現場で新たに発見される様々なニーズや改善点。
こうした細かい積み重ねこそが、強い組織への第一歩になるのではなかろうか。