2010年5月2日日曜日

「失敗学」から学ぶ

GW中盤に差し掛かった。
さて、今年はGWを利用して、いくつか書籍を読破を予定。

その中の書籍の中で、「失敗学」というものから、気になたものを一つ。

そもそも失敗学とは、発生してしまった失敗について、直接的と根幹原因を究明する学問とされている。物理的な原因、ヒューマンエラー、環境的な要因、組織的な要因などを責任追及のみに終始せずに究明するのだ。


こうした失敗から様々なことを学び、同じ過ちを繰り返さないようにするのにはどうしたら良いかというのを究明するのだが、そこで、一つの考え方があるのだ。

それは、「局所最適が、全体最悪をもたらす」という考え方。

限られた一部しか見えてない人が、良いと思ってした取り組みが、全体的に俯瞰して見た場合に帰って悪い結果をもたらすことがあるというのだ。


例えば、現場で良かれと思った業務改善が、会社全体でみた場合には、かえって手間が発生したり、全体的には改善されておらず悪化してしまっていたりと。具体的に良くあるのが、コピーの裏紙。経費削減ということで、裏紙の使用を奨励したものの、実は、紙詰まりを発生したり、コピー機自身を故障させてしまい、その費用がかえってかかってしまうというものなど。

世の中には、実際に、局所最適を行ったことにより人命にかかわる事故にまで発展してしまったものもある。1999年に発生した東海村の原子力発電の臨界事故がそうだ。


さて、今の日本の政治も同じような動きになっていないかと非常に心配になったりする。例えば、普天間基地の問題、事業仕分けの問題、子供手当の問題などなど。


全体的に俯瞰して、結果としてより良くするための方策を生み出すためには、その原因と結果に絡み合う部分を局所的に見るだけでなく、様々な角度で考察し分析する必要がある。

そのためには、あらゆる情報を見るときに、様々な視点で見る習慣を常日頃からつける必要がある。そして、その効果を短期的な視点で見るのではなく、中長期的な視点で効果検証をする視点も忘れてはならない。