2010年5月9日日曜日

政策を見る「目」を鍛えるために。。

今週振り返って印象に残ったのは、やはり普天間基地移転問題のニュース。


普天間基地移設問題は、実は昨年の衆議院議員総選挙の民主党のマニフェストには具体的には記述されていない(それまでの選挙のマニフェストには記載されていたようだが…)。

ところで、この「マニフェスト」に注目してみたいと思う。

そもそも、マニフェスト(manifesto)とは宣言、声明書と言う意味を持つ。
イギリスで、19世紀から選挙公約として使われてきているらしい。

一方、日本といえば、2003年の衆議院議員総選挙以降、本格的に使われるようになった。歴史的にも、日本ではまだまだ浅い。
そもそも、「マニフェスト」という言葉が外来語であり、「選挙公約」なのか「政権公約」なのかという議論もあるようだ。

一方、海の向こうのアメリカでは、マニフェストベースでの選挙は行われていない。
アメリカ国民は、各党の政策よりも、候補者を重視した選挙をするからなのだとか。候補者がどのような人物で、何をしようとしているのかというところを重視しているのだ。

マニフェストベースのイギリスの選挙は、アメリカとは対照的に候補者の名前は売り込まないのだとか。そういえば、先日のイギリスの選挙結果報道を見ていても、それが伺える。

こう見て見ると、日本の選挙はどうやらアメリカ的な候補者を軸とした選挙になっているのではなかろうか。。そんな議論も散見する。


ところで、ビジネスにおけるマニフェストは、「理念」+「事業計画」というところだろう。企業における「事業計画」は、夢物語ではいけない。きちんと実行できる内容でなければならない。そのためには、数々の議論を重ね、現状の課題を分析し、適切な将来的仮説のもとに、計画に落とさなければならない。そして、その計画は、会社全体で共有し運用し、PDCAをまわして、初めてその意味がある。


話をマニフェストにもどすと、日本ではまだまだ歴史も浅い。

昨秋の選挙でも、どれほどの有権者がきちんと隅から隅までマニフェストを理解して投票したかも疑問だ。さらに、メディアも各党のマニフェストについて公平に、かつその内容の奥深くまでを伝えられているのかも疑問だ。


有権者自身が、きちんと各党、そして各候補の掲げる内容そのものをきちんと見極める「目」というものを、もっと養わなければならないのではないだろうかと、つくづく思う。